August 05, 2010

高品質な手摘みの綿花


新しいジーンズを一本欲しいなと思ってネットを散策していて、こんな感じかなと思ったのが、「FULLCOUNT」というブランドのやつ。 公式ページはflashを多用し過ぎていてゲンナリするんですけど、amazonで取り扱いの方を先に見つけたもので。

で、公式ページの方を見てみるとさ、

「FULLCOUNTのジーンズで使用しているのは、綿花の中でもハイクオリティーとして名高いジンバブエコットンを使用しています。」

「ジンバブエコットンはアフリカの大自然の恵を受け、じっくりと大きく育てられています。すくすくと育った綿花を完全に開ききったところでひとつひとつ手摘みし綿カスなどの不純物を取り除きながら収穫しています。」

これはこれは。

「・・・使用しているのは、・・・使用しています。」と、日本語的には正しくない文章で書かれているのが残念ですが、ジンバブエ産の綿花を使ってるんですねぇ。デザインはこんな感じがいいかな、と思って見てみたら、素材もそういうことですか。 これはお買い上げ決定でしょう。

って、防縮加工をしていないとか、履いているうちにフィットしてくるとか書いてあるんで、サイズを頼りに通販で買うのは危ないでしょう。店員に聞きながら試着して買いたい。幸い新宿伊勢丹とかで取り扱ってるみたいなので、次の一時帰国時に買うことにしましょう。

*   *   *

「ひとつひとつ手摘みし綿カスなどの不純物を取り除きながら収穫」というのは本当らしいんです。2、3ヶ月前にイランのアフマディネジャド大統領がジンバブエを来訪した時(世界の鼻つまみ者同士で仲良くしているのであります)、イランはジンバブエの綿花生産に投資するとか、綿花の輸入を拡大するとかなんとか、耳障りの良い話をばら撒いていったんですけど、そのときにジンバブエのムガベ大統領が「当国の綿花はひとつひとつ手で摘んでいて、高品質」と演説で自慢していたのを覚えてますよ。

でも、たぶん、高品質な綿花を生産しようと思って手摘みをしているんじゃないと思うんですよね。綿花は換金作物なので、かつては白人農場主が大々的に、商業的に生産してた。その頃は黒人労働者が低賃金だったはずなので、機械を入れるよりも手で摘ませた方が安かったのかもしれない・・・。

で、ご存知の方も多いと思いますが、ジンバブエ経済は2008年に、自国通貨が億とか兆とかの位のハイパーインフレを起こして崩壊。経済崩壊の発端は農業崩壊だったし、今やまともな農業を行えている農家はほとんどいなくなっちゃった。機械設備もほとんど使えなくなっちゃって、要は、今は手で摘むしか術がないのかもしれない・・・。

FULLCOUNTの言っていることはたしかにそうだろうと思うんですけど、「ハイクオリティーとして名高いジンバブエコットン」は意図してやってるんじゃなくて、結果的にそうなってるだけ、っていう気がするよ。

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